P41.メルク天然マイカパール顔料

P41.メルク天然マイカパール顔料Merck Natural Mica Pearl Pigments

1.イリオジン
2.イリオジンの特徴
3.イリオジンシリーズ概要
4.イリオジンの販売容量
5.イリオジン100シリーズ
6.イリオジン200シリーズ
7.イリオジン7000シリーズ
8.イリオジン300シリーズ
9.イリオジン500シリーズ
10.イリオジン600シリーズ
11.ご使用上の注意事項

1.イリオジン（Iriodin®）

イリオジン（Iriodin®）は、天然マイカの表面を酸化チタンおよび酸化鉄などの高屈折率金属酸化物で被覆した化学的に安定性がある粉末状の無機パール顔料です。金属酸化物層とマイカの屈折率差で生じる多重反射が真珠光沢のようなパール光沢をもたらします。
製造元：メルクパフォーマンスマテリアルズ合同会社
それぞれの要求仕様に対しては、必ず試験を実施し確認してからご利用ください。
以下掲載内容は、製造元のカタログ、製品説明書等より引用しています。
updated:2024/10/3

2.イリオジン（Iriodin®）の特徴

イリオジンは、金属粉等と比べて次のような特徴があります。

非導電性で絶縁物として挙動し高圧や高周波でも帯電しない。
耐酸、耐アルカリ性がある。
水に不溶だが水性系に対し容易に分散する。
耐熱性が高く、不燃性で自然発火しない。

※耐熱温度については、製品毎に異なります。都度お問い合わせください。

3.イリオジン（Iriodin®）シリーズ概要

イリオジン100シリーズ: シルバー色系で基材が天然マイカです。基材である天然マイカの表面を酸化チタンで被覆したもの。酸化チタンの被覆率や粒度によりいろいろな銀白色のパール光沢が得られます。大きな粒子は、メタリック感のある光沢をもたらし、小さな粒子は、シルクに似た柔らかい光沢をもたらします。
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イリオジン6100シリーズ: シルバー色系で基材が合成マイカタイプです。基材に不純物を含まないため天然マイカ製品と比較し、より白度が高いシルバーホワイトパールを発色します。
製品リスト（サイト内の別ページ）
updated:2022/6/9
イリオジン200シリーズ: 干渉色系で基材が天然マイカです。基材である天然マイカの表面を酸化チタンで被覆したもの。酸化チタン層の厚さによって可視光線の波長のいずれかが干渉しパール光沢をもちながら虹彩色を発色します。
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イリオジン7000シリーズ: 干渉色系で基材が天然マイカです。現在、取扱いのイリオジン7000ウルトラシリーズ6品目は、粒径が10～60μです。
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イリオジン300シリーズ: ゴールド色系で基材が天然マイカです。天然マイカの表面を酸化チタンで被覆しさらにその上に酸化鉄を被覆したもの。パール光沢の上に酸化鉄の色が加わりパール光沢をもちながらもゴールド色を発色します。
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イリオジン500シリーズ: ブロンズ色・カッパー色系で基材が天然マイカです。天然マイカの表面に直接酸化鉄を被覆することにより着色力、光沢共に強く金属感のある色調を発色します。
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3-1.表面処理した高耐候性アイテム

WNT（Weather New Treatment）タイプ及びSWタイプは、表面処理をした高耐候性アイテムです。
詳しくは、テクニカルデータシートを参照してください。

3-2.イリオジンの品名コード

品名としてイリオジンのあとに続く品名コードの先頭に(9)が付いたアイテムは、表面処理品シリーズも存在すること意味しています。製品によりWNTタイプ（日本・アジア向け）かSWタイプ（欧米中心向け）となります。updated:2024/5/22

3-3.色見本帳のアイコン

色見本カタログで「〇（白丸）」は、未処理品で屋内用です。「●（黒丸）」は、表面処理品で屋外用です。「（半白黒丸）」は、未処理品と表面処理品の両方が存在し、屋内用と屋外用があります。updated:2022/4/11

3-4.粒度による分類

製造元のメルクパフォーマンスマテリアルズ社カラーカードにおいて粒子サイズにより5段階に分類されています。便宜上、小さい順に日本の呼称で言えば、M（極細目）、F（細目）、N（中目）、S（荒目）、L（極荒目）のような分け方です。

M：およそ1～15µm
F：およそ5-25µm
N：およそ5-60µm
S：およそ5-125µm
L：およそ10-200µm

3-5.テクニカルデータシートの記載項目例

PSD=Particle Size Distribution（粒度分布）: 単位 µm
Density（密度）: 単位 g/cm³
Bulk density（かさ密度）: 単位 g/100mL
Oil Absorption（吸油量）: 単位 g/100g
など。

4.イリオジン（Iriodin®）の販売容量

販売容量
1kg	15kg	20kg	25kg

(注1)大箱の販売容量は、通常25kgですが、品種により異なります。
イリオジン#103は、15kg。
イリオジン#110、#111、#119、#120、#121は、20kg。
他に10kgの商品もあります。
最新情報については、都度お問い合わせください。
納期は、新規ユーザの場合、約5～7日、既存ユーザの場合、約3～6日。

サンプル容量
150g	250g

サンプル出荷商談案件については、営業部門で検討後回答させていただきます。

5.イリオジン100シリーズ

イリオジン100シリーズは、主にシルバータイプのパール顔料です。
PSD=Particle Size Distribution（粒度分布）の単位は、µmです。

品名・色名: PSD（粒度分布・単位 µm）・特徴
イリオジン100 シルバーパール: 10-60。一般的に良く使用されることが多い。
背景黒
イリオジン103 ルチルスターリングシルバー: 10-60。※2020年7月頃、生産拠点変更予定。検査成績書が、英文に変更。
イリオジン103 WNT ルチルスターリングシルバー: 103の耐候性グレード
イリオジン110 ファインサテン: <15
イリオジン111 ルチルファインサテン: 1-15
※2020年7月頃、生産拠点変更予定。検査成績書が、英文に変更。
イリオジン111 WNT ルチルファインサテン: 111の耐候性グレード
イリオジン119 ポーラーホワイト: 5-25
イリオジン120 ラスターサテン: 5-25
イリオジン121 ルチルラスターサテン: 5-25
イリオジン121 WNT ルチルラスターサテン: 121の耐候性グレード
イリオジン123 ブライトラスターサテン: 5-25
イリオジン141 ブライトラスターパール: *
イリオジン153 フラッシュパール: 20-100
イリオジン153 WII フラッシュパール: WIIは、耐候性グレード。
廃番(updated:2020/5/29)
イリオジン163 シマーパール: 20-180
背景黒
イリオジン183 ウルトラグリッターホワイト: 45-500

6.イリオジン200シリーズ

イリオジン200シリーズは、主に干渉色タイプのパール顔料です。WNTタイプ及びSWタイプは、高耐候性を目的とした表面処理品です。SWタイプは、9000シリーズとして分類されています。

品名・色名: PSD（粒度分布・単位 µm）・特徴
イリオジン201 ルチルファインゴールド: 5-25
背景黒
イリオジン201 WNT: 201の耐候性グレード。2016年末廃番。9201 SWを代替候補。
イリオジン9201 SW: 201の耐候性グレード
イリオジン205 ルチルプラチナゴールド: 10-60
イリオジン205 WNT: 205の耐候性グレード
イリオジン211 ルチルファインレッド: 5-25
イリオジン211 WNT: 211の耐候性グレード
イリオジン9211 SW: 211の耐候性グレード
イリオジン215 ルチルレッドパール: 10-60
イリオジン215 WNT: 215の耐候性グレード
イリオジン217 ルチルカッパーパール: 10-60
イリオジン217 WNT: 217の耐候性グレード
イリオジン9217: Rutile Copper Pearl WR
217の耐候性グレード
2022/12/31廃番。
代替品は、97217 SW。
イリオジン219 ルチルライラックパール: 10-60
イリオジン219 WNT: 219の耐候性グレード
イリオジン221 ルチルファインブルー: 5-25
背景黒
イリオジン221 WNT: 221の耐候性グレード
イリオジン223 ルチルファインライラック: 5-25
背景黒
イリオジン223 WNT: 223の耐候性グレード
イリオジン225 ルチルブルーパール: 10-60
イリオジン225 WNT: 225の耐候性グレード
イリオジン231 ルチルファイングリーン: 5-25
背景黒
イリオジン231 WNT: 231の耐候性グレード
イリオジン235 ルチルグリーンパール: 10-60
イリオジン235 WNT: 235の耐候性グレード
イリオジン249 フラッシュゴールド: 10-125
背景黒
updated:2022/7/6
イリオジン259 フラッシュレッド: 10-125
updated:2022/7/6
イリオジン289 フラッシュブルー: 10-125
updated:2022/7/6
イリオジン299 フラッシュグリーン: 10-125
updated:2022/7/6

イリオジン200シリーズは、酸化チタン層の厚さによって可視光線の波長のいずれかが干渉しパール光沢をもちながら虹彩色を発色します。このような二色性効果をもつタイプは、下地の色によって表現される色彩が左右されます。

下地が全反射性の白色の場合、透過成分である補色が下地によって再反射され元来の反射色である成分に加わり色効果を低減させます。一方、下地が黒色の場合は、透過した補色成分は、下地の黒色に吸収されて元来の反射色のみを見ることになります。

このように下地色によって全体の色彩表現が異なって参ります。詳しい仕様については都度ご確認ください。